年末の大掃除。
転職を機に、人生そのものをいちど大掃除するくらいの、例年にない気合いをこめて念入
りに取り組んでいました。
すると、まるでそのご褒美ででもあるかのように、ここしばらく開けることすら忘れてい
た小さい箪笥の引き出しの奥から、思いがけず金のネックレスとイヤリングのセットが出
てきました。そういえば、ず~っと前につきあってたオトコからもらったんだった。バブ
リーな時代に。バブリーなヤツから。
アクセサリーに興味を持ってる人なら一目で「あ、ひと時代前の」と判ってしまう古くさ
いデザインだったし、その贈り主とのあいだにあまりいい想い出もなかったので、今さら
身につける気にもならず。
迷わず、買取店へと向かうわたしなのでした。
ちょっとほこりくさくて気恥ずかしかったけれど、査定のお兄さんはもちろんそんなこと
などおくびにも出さず、にこやかに対応して満足のいく価格……まではいかないかな、で
もまあこんなもんだろうな、と思える価格を提示してくれました。
わざわざあちこち渡り歩いて査定額を較べてみる、なんて手間をかけるほどの気にもなれ
ず、あっさりそこで買い取ってもらうことに。
わたしのバブリーの最後の泡が、こうして消えてはじけて、ささやかなおこづかいを残し
ていきました。
さあ、年が明ければ新しい仕事。
新しい恋も、始まるかしらん。きゃっ。