大きな出費
このところ大きな出費が続いて、だいぶふところが淋しくなってきました。
手っ取り早くそのふところを暖め直すことができないかと思っていたところ、前に親戚のおじさんから、海外旅行のおみやげにその国の金貨を何枚かもらったことを思い出しました。それを金買取店にでも持ち込めば、少しは助けになるかもしれない、と考えたのです。
これまでそういう経験がなかったので、いろいろ調べてみるところから始めたのですが、本当に金や貴金属の買取店って多いんですね。私のような素人には、いったいどの店がいいんだか悪いんだか、それを見極めるだけでもひと苦労、って感じです。
たとえば手数料ひとつとっても、取るところと取らないところがあるようだし、取らないからいいかっていえば、それだけでも決められないみたい。買取レートを明示してるかどうかとか、これまでの査定実績がどうとか、いろいろチェックすべき項目は多いようです。全国展開している大きな店なら信用はできるかもしれないが、商品が分散するため査定額自体は低い、なんて情報もありました。
インターネットや友人の話を参考に、まあここならいいかな、という店を決めて、持っていってみました。
サイトではいかにも大きな店構えに見えたのだけど実際にはけっこうこじんまりしたつくりの店で、写真のマジックにまずは感心させられました。
いや感心してる場合じゃない、そういう見せかけからしてハッタリかますような店を信用していいのか、と一瞬思いましたが、でもまあ、広告宣伝というのは多かれ少なかれそういう面があるのだから、この程度ならいわば想定内ってものでしょう。
で、いざ入ってみると、こぎれいな内装で、出てきたお店の人もいい感じのベテランっぽい雰囲気をかもし出していて、なんとなくこちらの不安を払拭してくれるのでした。
気分をほぐすように世間話から始まって、やがて査定に入り、いろいろ説明してくださいました。そっち方面の知識ゼロの私にはお店の人のおっしゃることの半分以上はアタマに入ってこなかったけれど、ていねいに説明してくださってるんだ、ということだけは判りました。
で、査定が終わり、その場で私にとっては大いに助かる額の現金をもらい、住所氏名を書いておしまい。いろいろ気構えて行ったわりには、最後は何だかちょっとあっけない感がありました。
でも、これで、しばらくはしのげる。
ほくほくと暖まったふところを抱きしめるように歩きながら、この世の中に、金買取店という存在があることを感謝する私なのでした。